相続不動産の売却でよくある誤解6選|不安が消える「本当のところ」を整理

親や家族から不動産(マンション・戸建てなど)を相続すると、「売却」という選択肢が頭をよぎる一方で、こんな不安に襲われることがあります。

  • 「相続不動産の売却って、すごく難しそう…」
  • 「素人が手を出すと、損をしたり失敗したりしそうで怖い」
  • 「兄弟で意見が割れて、揉め事になるのが一番嫌だ」

実は、相続不動産の情報は断片的なものや極端な成功・失敗談が多く、“思い込み(誤解)”が不安を必要以上に大きくしているケースが少なくありません。

この記事では、相続の知識がゼロの方でも冷静に判断できるように、相続不動産の売却でよくある「6つの誤解」を、現実に沿ってほどいていきます。

目次

結論:誤解がほどけると「やること」が見えて、気持ちが軽くなる

相続不動産の売却は、確かにルールや調整が必要です。ただ、実態は「怖いもの」ではありません。

  • 「今すぐ売らないと損」とは限らない
  • 「古くても売れる可能性が残るケース」は多い
  • 「全部を一人で抱える」必要はない

誤解が解けると、今のあなたがまず何を確認すべきかが自然に見えてきます。順番に見ていきましょう。

相続不動産の売却でよくある「6つの誤解」

誤解①「今すぐ売らないと損をする」

→ 本当のところ:焦って売るほうが、安値売却になりやすい

「不動産価格が下がる前に売れ」といった言葉に背中を押されることがありますが、焦って相場より安く手放すことこそが大きな損になりがちです。

大切なのは、売る・持つ・貸すを決める前に、まず維持コスト(固定資産税、管理費など)を把握して、「あと何年なら持っても家計に響かないか」を数字で知ることです。

誤解②「相続人全員が揃わないと、何もできない」

→ 本当のところ:最終合意は必要でも、“準備”は一人で始められる

売却契約など最終局面では相続人全員の同意が必要な場面がありますが、その前の準備段階は一人で進めてOKです。

例えば、次の3つは先にやっておくほど、あとがラクになります。

  • 名義(登記)が今どうなっているか確認する
  • 権利証や固定資産税の通知書など、書類をまとめる
  • 管理状況(管理費・修繕積立金など)を確認する

特に名義(登記)は、後から詰まりやすいポイントです。

誤解③「築古(ちくふる)物件は売却できない」

→ 本当のところ:築年数より“立地”と“管理”が見られる

「古い=価値ゼロ」と思い込むのは早計です。特にマンションは、築年数よりも

  • 立地(需要があるエリアか)
  • 管理(修繕履歴や管理状態)
  • 維持コスト(管理費・積立金の重さ)

が重視されます。築40年でも、条件次第で普通に取引されます。

誤解④「売却の手続きは複雑で、素人には無理」

→ 本当のところ:全部を一人で抱えないのが、むしろ正解

相続不動産の売却は、確かにやることが多いです。だからこそ、全部を一人で抱え込まないのが現実的です。

  • 名義の整理:司法書士
  • 査定・販売:不動産会社
  • 税金の判断:税理士(必要に応じて)

あなたが全てやらなければならないのではなく、必要なところを選んで前に進めていけば良いので大丈夫です。

誤解⑤「空き家のまま置いておけば、いつでも売れる」

→ 本当のところ:放置すると“売り物としての状態”が落ちる

「いつでも売れるから」と空き家のままにすると、実はリスクが増えます。

  • 換気不足でカビ・臭いが出る
  • 水回り・設備が傷む
  • ポストが溢れて防犯上も不安
  • 清掃・修繕の費用がかさむ

“売れる/売れない”より先に、状態が落ちると売り方が狭まるのが現実です。

誤解⑥「売却益が出たら、税金が必ず高額になる」

→ 本当のところ:税金は“必ず高い”ではなく、条件次第で変わる

税金の話は怖く感じやすいですが、実際は「必ず高額」ではありません。
売却で利益(譲渡所得)が出た場合でも、状況によっては負担を抑える仕組み(特例)が使えることがあります。

ただし注意点として、特例には種類があり、例えば

  • 売った人が実際に住んでいた家に関するもの
  • 相続で引き継いだ家に関するもの(主に戸建てが前提になるもの等)

など、物件タイプや使い方で条件が違います。ここで大事なのは「税金が怖いから放置」ではなく、自分のケースで論点がどこかを先に把握することです。

売却を決める前に整理しておくとラクになる「3つの軸」

今すぐ「売る」と決断する必要はありません。
ただ、情報がないまま考えると不安だけが増えやすいので、まずは次の3つだけ整理してみてください。数字と状況が見えると、判断が一気に現実的になります。

1)物件の現状(住んでいるか/空き家か/劣化はあるか)

最初に押さえたいのは「いま部屋がどんな状態か」です。空き家期間が長いほど、カビや設備不良などで売るときの手間や費用が増えることがあります。
また「誰が管理しているか」が曖昧だと放置に繋がりやすいので、担当だけでも決めておくと安心です。

2)維持コスト(固定資産税・管理費など)

「年間でいくら出ていっているか」を書き出すだけで、焦りが減ります。
固定資産税・都市計画税に加えて、マンションなら管理費・修繕積立金も合計して、年額で把握すると判断しやすくなります。支払い担当が曖昧だと揉めやすいので、早めに整理しておくのがおすすめです。

3)手続きの前提(名義・相続人の状況)

売る・貸す・住むのどれを選ぶにしても、土台になるのが名義と相続人の状況です。
名義が故人のままだったり共有になっていると、いざ動くときに手続きが止まりやすいので、まずは「登記簿上の名義が誰か」を確認しておきましょう。

まとめ|思い込みを外すと、「やるべきこと」が見えてくる

最後にポイントを整理します。

  • 相続不動産の不安は、誤解(思い込み)で膨らんでいることが多い
  • 「今すぐ結論」より先に、現状の可視化が大事
  • 方向性は、自分のペースで選べる(ただし放置はリスクが増える)

「まだ売ると決めたわけじゃないけれど、損はしたくない」という方は、まずはチェックリストを使って、今の状況を整理してみてください。

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