築古マンションが売れにくい理由と現実|「古い=売れない」は本当?

親や親族から相続したマンションが「築30年」「築40年」といった古い物件だった場合、

  • 「こんなに古いマンション、本当に売れるの?」
  • 「ボロボロだから価値なんてゼロじゃないか不安」
  • 「今は売るつもりはないけれど、持っているだけで損をしない?」

と、重たい気持ちになっている方は少なくありません。
「売れる・売れない」といった実務的な心配以前に、「この大きな負担を、自分一人がずっと抱え続けなければならないのか」という、目に見えないプレッシャーに不安を感じている方も多いはずです。

結論からお伝えすると、築古マンションには「売れにくい明確な理由」がありますが、「すべての物件が売れない」わけではありません。

この記事では、不動産の知識がゼロの方でも理解できるように、「築古マンションが売れにくい理由」と市場の現実、必要以上に不安にならずに判断するための軸を整理して解説します。

目次

結論:築古マンションは「築年数」だけでは決まらない

築古マンションの成約を左右するのは、単に見た目が古いからではありません。築年数に伴って発生する「お金と安全の条件」が、買い手のハードルを上げているからです。

まず、現状を整理するために見るべき軸はシンプルに3つです。

  • 立地(駅から近いか/需要があるエリアか)
  • 管理状態(修繕積立金は十分か/管理の質は良いか)
  • 毎月の維持コスト(管理費・積立金が跳ね上がっていないか)

ここが分かるだけで、あなたの不安の正体はかなり整理できます。
まずは、イメージに振り回されず「なぜ売れにくいと言われるのか」の正体を正しく知りましょう。

築古マンションが売れにくいと言われる5つの理由

買い手が築古物件を敬遠するのには、次のような現実的な背景があります。

① 金融機関によって住宅ローンの審査が厳しくなる(借入期間が短くなることも)

金融機関によっては、建物の耐用年数等を目安に、「借入期間が短くなる」「審査が厳しくなる」ケースがあります。
結果として月々の返済負担が上がり、買い手が「現金購入ができる層」「自己資金が多い層」に限定されやすくなります。

※借入期間や審査の扱いは、金融機関・物件条件・借入人属性によって異なります(一律ではありません)。

② 修繕積立金の高騰と老朽化への不安

建物が古くなるほど、エレベーター交換や配管工事、大規模修繕などにお金がかかります。
そのため、「毎月の修繕積立金が高い」「将来、一時金の徴収があるかもしれない」という不安が、買い手の判断を慎重にさせます。

③ 「新耐震基準」に適合しているか(旧耐震の可能性)

1981年(昭和56年)以前に建てられたマンションは、旧耐震基準の可能性があります。
耐震性への不安に加え、物件によっては税制優遇(例:住宅ローン控除など)の条件に影響することがあり、買い手にとっての実質コストが上がる場合があります。

④ 管理不全(修繕が回らない)リスク

買い手が築年数以上に厳しくチェックするのが、「管理組合が正常に機能しているか」です。

  • 長期修繕計画が立っていない
  • 修繕積立金の残高が極端に少ない
  • 管理費の滞納が多い

こうした状態だと、買い手から「将来、修繕が滞って資産価値が下がるのでは」と警戒され、敬遠されやすくなります。

⑤ 現代の間取り・設備とのギャップ

たとえば、

  • 洗濯機置き場が外にある
  • コンセントが極端に少ない
  • 和室中心で使いづらい

など、今のライフスタイルに合わない設備は、リノベーション費用を高く見積もられる要因になり、結果として価格調整が必要になりがちです。

それでも築古マンションが売れる3つのケース

一方で、築30年、40年を超えても活発に取引されている物件には、共通した強みがあります。

① 立地が強い

「駅近」「人気エリア」など、立地の利便性は建物が古くなっても衰えません。
土地としての価値が価格を下支えし、買い手がつきやすくなります。

② 管理が良く、修繕履歴が整っている

共用部が綺麗で、修繕が計画通りに行われているマンションは、買い手に安心感を与えます。
結果として、築古でも資産価値が落ちにくく、慎重な買い手にも選ばれやすいです。

③ リノベーションの「ベース」として魅力がある

「相場より安く買って、自分好みに作りたい」という層が一定数います。
間取り変更がしやすい構造、広さがある、眺望が良いなど、“素材としての強み”があると評価されやすいです。

逆に、「立地が弱い × 管理が不透明 × 維持コストが重い」**の3条件が重なると、売却には相応の時間や価格調整が必要になるのが現実です。

よくある誤解|築古マンションの価値

誤解1:「築古=価値ゼロ」

→ 正解:立地(=土地の価値)は古くなりません。
建物価値が下がっても、便利な場所にあるマンションなら土地としての価値が価格を下支えします。
築年数だけで一律に判断せず、まずは「周辺の同程度の築年数の物件がいくらで動いているか」を眺めてみるのが第一歩です。

誤解2:「すぐ売らないと手遅れになる」

→ 正解:焦る必要はありません。ただし“放置”は禁物です。
今すぐ売却を決断しなくても大丈夫です。
ただ、判断を先送りにして「何もしないまま放置」すると、後から選択肢が狭まりやすくなります。

放置の落とし穴(築古ほど効いてくる)

築古マンションを放置すると、売れにくさが“加速”しやすいです。

  • 換気不足でカビが出て、内装が傷む
  • 管理費や税金の負担だけが積み上がる
  • 相続登記をせず名義が複雑化し、いざという時に動けない

売るか決めていない今、やっておくべきこと

「古いからどうせ売れない」と諦める前に、まずは以下の3点をメモしてみてください。
今すぐ結論を出すためではなく、判断材料を揃えるのが目的です。

1) マンション名でネット検索する

同じマンション内(できれば近い広さ・階数)の部屋が、いくらで売り出されているかを確認します。
細かく分析する必要はなく、まずは“相場感を眺める”だけで十分です。

2) 管理費・修繕積立金の合計額を確認する

管理費と修繕積立金を足して、毎月の固定費を把握します。
ここが見えると、「持ち続ける」と「手放す」の比較がしやすくなり、判断が現実的になります。

3) 名義が誰になっているか確認する

名義が親のままだったり共有だったりすると、売る・貸すなどの手続きが進みにくいことがあります。
相続登記が済んでいない場合は、動けるうちに整えておくほど将来の自由度が上がります。

お金の不安を整理する(税金は早めに把握しておく)

維持コストの中でも、特に混乱しやすいのが税金です。
まずは「相続直後に誰が払うのか」を押さえておくと、余計な不安が減ります。

まとめ|築古マンションは「3つの軸」で向き合う

最後に、大切なポイントを整理します。

  • 築古でも「立地・管理・維持コスト」が良ければ十分売れる
  • 売れにくい理由は、見た目よりも「ローンや管理体制」にある
  • 放置はリスクだが、正しく現状を把握すれば焦る必要はない

まずは「立地・管理・維持コスト」の3点を、メモでいいので整理して現状を見える化しましょう。
「まだ売ると決めていないけど、このまま損はしたくない…」という方は、【保存版】親から相続したマンション、まずやるべきことチェックリストを見ながら、できるところから1つずつ確認してみてください。

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