親や親族からマンションを相続した直後は、悲しみや慌ただしさの中にいますが、ふとした瞬間に相続に関する不安は押し寄せてくるものです。
- 「何から手を付ければいいのか全く分からない」
- 「売るか、住むか、貸すか、どれも決められない」
- 「手続きを後回しにして、あとで大変なことにならないか不安」
頭の中が整理できず、焦ってしまうのは当然のことです。 結論から言うと、今すぐ「売却する」などの大きな決断をする必要はありません。
ただし、知らないうちに損をしたり、トラブルに巻き込まれたりしないための「最低限の確認」だけは必要です。この記事では、不動産の知識がなくても迷わずに済むよう、相続後にまず確認すべきことをチェックリスト形式で整理しました。

結論:相続直後は「全体像の把握」が最優先
相続したマンションについて、最初にやるべきことは「どう活用するか」を決めることではありません。まずは、以下の3つを切り分ける作業から始めましょう。
- 「義務」としてやらなければならないこと
- 「期限」があること
- 「後回し」にしても大丈夫なこと
この全体像が見えるだけで、今の不安は驚くほど軽くなります。
相続後にまずやるべきこと【チェックリスト】
まずは以下の項目を上から順番に眺めてみてください。現時点で全て完璧に分からなくても大丈夫です。
1. 【今すぐ】「現状」を確認しましょう
□ マンションの基本情報を把握する (所在地、築年数、だいたいの間取り)
→ 物件の「履歴書」を知ることで、この先の相談がスムーズになります。
□ 固定資産税の納税通知書を探す
→ 住んでいなくても、所有しているだけで税金は発生します。

□ 管理費・修繕積立金の支払い状況を確認する
→ 毎月いくら引き落とされているか、滞納がないかを確認します。
2. 【期限あり】「権利」を整理しましょう
□ 名義変更(相続登記)が済んでいるか確認する
→ 2024年4月から義務化されました。放置すると罰則の対象になる可能性があるだけでなく、売る・貸すといった選択肢自体が取れなくなることもあります。

□ 他に相続人がいないか、話し合いは済んでいるか
→ マンションを誰が引き継ぐのか(または共有にするのか)をはっきりさせます。
3. 【急がなくてOK】「これから」を考えましょう
□ そのマンションに「今」誰も住んでいないか
→ 空き家になる場合は、管理の方法を考える必要があります。

□ 築30年以上の「築古」物件ではないか
→ 築年数によって、将来の選択肢(売却のしやすさなど)が変わってきます。

チェックリストの中で特に大切な3点
固定資産税・管理費は「使っていなくても」発生する
相続したマンションに住んでいなくても、固定資産税や管理費は毎年・毎月かかり続けます。「何もしていないからコストはゼロ」ではないという点だけ、早めに理解しておきましょう。
名義変更は「売る時」にやればいい、は間違い
「売却を決めてから名義を変えればいい」と思われがちですが、時間が経つほど親族間での話し合いが難しくなったり、必要書類が集めにくくなったりします。早めに「自分の名義」に変えておくことが、将来の自由度を広げます。
「住んでいないマンション」は静かに劣化する
誰も住まなくなった部屋は、空気が入れ替わらないため急速に傷みます。また、管理費を払っていても、室内で水漏れなどが起きた際に気づくのが遅れるリスクもあります。

今すぐ結論を出さなくていい理由
相続直後は、気持ちの整理もついておらず、情報も足りないのが当たり前です。 この段階で、不動産会社などの勢いに押されて無理に結論を出そうとすると、後悔につながりかねません。
まずはこのチェックリストを一つずつ埋めていき、「自分の置かれた状況を正しく知る」こと。それが、納得できる判断をするための、最も近道で唯一の方法です。

まとめ|「順番を知ること」が一番の安心材料
最後に、大切なポイントを整理します。
- 相続直後にすべて決める必要はない
- まずは「コスト(税金・管理費)」と「期限(名義変更)」だけ押さえる
- 「放置」だけはせず、現状を把握することから始める
このチェックリストを起点に、気になる項目から少しずつ情報を集めてみてください。
すべてを一度に片付けようとせず、1つ確認するだけでも十分な一歩です。
