親や親族からマンションを相続したあと、ある日突然、役所から「固定資産税・都市計画税の納税通知書」が届くことがあります。
亡くなった親の名前が書かれた封筒を見て、
- 「自分はまだ住んでもいないのに、払わなきゃいけないの?」
- 「まだ名義変更(登記)をしていないけど、どうすればいい?」
- 「兄弟で分ける場合、誰が代表して払うのが正解?」
と、戸惑ってしまう方は少なくありません。 相続にまつわる税金の話は複雑に見えますが、ルールを一つずつ紐解けば、今やるべきことは意外とシンプルです。この記事では、不動産の知識がなくても迷わないよう、相続直後の税金の考え方を分かりやすく解説します。

結論:相続マンションの税金は「相続人」が引き継ぎます
結論からお伝えすると、たとえ手続きが途中であっても、相続したマンションの税金を支払う義務は「相続人」に移ります。
たとえ以下のような状況でも、支払い義務はなくなりません。
- 名義がまだ亡くなった親のまま
- 売るか住むか、まだ何も決めていない
- 遠方に住んでいて、一度もそのマンションを使っていない
「今は誰も使っていないから、税金もかからないはず」という思い込みが一番危険です。まずは「所有しているだけで発生するコスト」として捉えておきましょう。
知っておきたい固定資産税・都市計画税の基本ルール
1. 「固定資産税」と「都市計画税」はセット
通知書を見ると、「固定資産税・都市計画税」と2つの名前が並んでいるはずです。 マンションが市街化区域にある場合、これらはセットで課税されます。どちらも「1月1日時点の所有者」に課せられる税金です。
2. 「1月1日時点」のルールと相続
固定資産税は、その年の1月1日に所有者として登録されている人に届きます。 1月1日時点で親御さんがご存命だった場合、書類上の宛名は「亡くなった親御さん」のまま届くことがありますが、実際の支払いは相続人が引き継ぐのが一般的です。
かみ砕くと…
簡単に言うと、「亡くなった方の代わりに、相続人が義務を引き継ぐ」イメージです。相続が発生した瞬間から、相続人全員が「連帯して支払う立場」になると考えておくと間違いありません。
名義変更(相続登記)前でも払う必要はある?
はい、名義変更が済んでいなくても支払い義務は発生します。
「名義を変えていないから、まだ自分の物ではない」という主張は、残念ながら税務上は通りません。役所は、戸籍などを通じて相続人を把握し、「相続人代表者指定届」などの書類を送ってくることがあります。

共有名義・相続人が複数いる場合はどうする?
兄弟姉妹など、複数人でマンションを相続する場合、税金は「相続人全員で支払う義務(連帯納税義務)」があります。
実務上は、以下のような対応が一般的です。
- 代表者が一旦まとめて支払う
- 後から、それぞれの持分割合(相続分)に応じて精算する
ただし、「誰が一旦立て替えるか」「後でどう分けるか」を話し合っていないと、後々大きなトラブルに発展しやすいため注意が必要です。
よくある「3つの誤解」を整理
誤解1:「名義変更するまで払わなくていい」
→ 正解:支払い義務はすでに発生しています。 「誰が払うか決まるまで放置」してしまうと、延滞金が加算されます。延滞すると、数千円〜数万円単位で余計な出費になってしまうこともあるため、納税通知書が届いたらまずは内容を確認しましょう。
誤解2:「代表者が払ったら、その人の所有物になる」
→ 正解:支払うことと、権利(名義)は別物です。 「自分が税金を払っているんだから、この家は自分のものだ」と主張しても、法的な名義変更(登記)が済んでいなければ、自分の権利を証明することはできません。
誤解3:「売らないなら税金は気にしなくていい」
→ 正解:売却の有無に関係なく、持ち続ける限りかかります。 「今は売らない」という判断も尊重されますが、その間も固定資産税・都市計画税、管理費、修繕積立金の3点セットは発生し続けることを忘れないでください。

今すぐ売らなくても、最低限確認しておきたいこと
現時点で売却を決めていなくても、以下の3点だけはメモしておきましょう。
- 年間の税金は合計いくらか?(通知書の「全期分」を確認)
- 誰が代表して支払うか?(兄弟間での合意)
- その費用をどこから出すか?(親の預金から出すのか、出し合うのか)
将来、そのマンションを「売る」「貸す」「住む」のどの選択肢を選ぶにしても、このお金の流れを整理しておくことが、納得のいく決断への第一歩になります。

まとめ|「知らないまま放置」が一番のリスク
最後にポイントをまとめます。
- 税金(固定資産税・都市計画税)は、相続した瞬間から「相続人の負担」になる
- 名義変更がまだでも、支払い義務は止まらない
- 延滞すると数千円〜数万円の損になることもあるため、放置は禁物
固定資産税の通知書は、相続マンションという現実に向き合う「最初の手紙」です。 まずは慌てず、今いくらのコストがかかっているのかを把握することから始めてみてください。

